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■第73弾 『草加松原』■

 今月は草加市内に在る"100年(100年以上)企業"さんをお休み致しまして、国指定
名勝となりました草加松原を簡単にご紹介致します。『草加松原』というのは解りや
すく言いますと、綾瀬川右岸沿いの遊歩道の両側にある【松並木】のことです。距離
は約1.5km。私の子供の頃には良く"千本松"なんて伝えられていた松並木ですが、寛
永7年(1630年)の草加宿開宿時、または天和3年(1683年)の綾瀬川改修時に松が
植えられたと言われているそうです。寛政4年の資料には、1230本植えられたという記
録があるそうですよ。その後485本になったり、806本になったり、630本になったりし
ていた草加松原松並木ですが、昭和40年代になると排気ガスや車両の振動などにより
、成木は約70本程度まで減少したそうです。そこで昭和51年に草加青年会議所を中心
として団体・企業・市民が「よみがえれ松並木・・・・そして草加に緑を」を合言葉
に【草加松並木保存会】が発足され、老木の手入れや若木の補植、県道足立越谷線の
上り車線を西側に移動させ遊歩道にするなど行い、550本を超える松並木に回復された
そうです。


 因みに昭和8年に工事が始まった国道4号線(現県道足立越谷線)拡幅工事
の際には、松並木の西側を伐採する計画も持ち上がったそうですが、草加町で【草加
町保勝会】を組織し、国道4号線の下り線部分を松並木の西側に新設させる事により
松並木を守ったそうです。いろんな歴史と人が交わって育った松並木の松たち。昭和
60年代・平成と松並木の松の数は変動しますが、2012年に東京スカイツリーの高さと
同じ数字に合わせるため11本の松を補植し、634本になりました。そして平成26年
3月18日には、多くの方々のご尽力により文部科学大臣から『おくのほそ道の風景地
 草加松原』として国指定名勝となりました。埼玉県内では「長瀞(皆野町・長瀞町)」
「三波石峡(神川町・群馬県藤岡市)」に続いて56年振りの3件目との事。さてこの
松並木と同時に整備されて来たのが【草加松原遊歩道】です。草加六丁目橋付近から
旭町一丁目南端までの区間を言い、「せせらぎ・松原・シンボル・イベント・歴史」
と、五つのゾーンに分けられています。
 


 せせらぎ水路・百代橋(ひゃくたいばし)・矢立橋(やたてばし)・松尾芭蕉翁像
・札場河岸公園などは、遊歩道を歩く方々に「草加の自然と歴史」「過去と現在と
未来」を楽しませてくれています。そんな草加松原は、昭和62年、旧建設省から
「手づくり郷土賞」「日本の道100選」、昭和63年、同省から「利根川百景 綾瀬川
と松原」、平成16年には(社)日本ウォーキング協会より「美しい日本の歩きたく
なるみち500選」にも選ばれています。近年では中根の有志の方々が"綾瀬川に和舟を"
ということで、草加松原沿いを流れる綾瀬川に4艘の和舟を浮かべ「川から見る
草加松原」のためにと只今活動中です。近い内に正式なお披露目となることでしょう。
これからも皆に愛される国の名勝【おくのほそ道の風景地 草加松原】、市民みんな
で見守り続けて参りましょう。

※草加市から資料を提供して頂き、作成しました。
 

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三遊亭春馬プロフィール