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■ 第154回 健康診断を活かす ■
〜肺の腺がんについて・その3〜

医師 小澁 陽司
     


 昨年から3回にわたり、肺の腺がんについてご説明する特集をお送りしてきまし
たが、今回がその最終回になります。

 最後は肺腺がんの検査法や治療法について述べていきましょう。



D肺腺がんの検査と治療
 健康診断や人間ドックの胸部レントゲン検査で、肺がんを疑わせる怪しい所見が
見つかった場合、次の精密検査としては胸部CTを行うことがほとんどです。

ご自分で不調を感じ、外来を受診された時の検査も同様の流れとなるでしょう。そ
の他、採血による腫瘍マーカー検査なども組み合わせて、まずはその怪しい所見が
がんか否かを追究していきます。


 もしこの段階で肺がんの疑いが濃厚となったら、次は確定診断を付ける検査とな
り、喀痰細胞診、気管支鏡検査(細い内視鏡で気管支の中を直接観察する検査)、
あるいは針生検などを行ってがんのタイプを特定するのと同時に、全身のCT検査、
MRI検査、PET検査、骨シンチグラム検査などでがんの全身転移がないかどう
かを調べることになります。


 こうして肺がんと診断され、そのタイプや進行の程度が確認されると、いよいよ
治療の開始です。

 この特集の第1回目(平成29年11月号)でご説明したように、肺がんは「小
細胞がん」か「非小細胞がん」であるかによって、治療法が異なります。


 小細胞がんは化学療法を中心とした治療法になりますが、非小細胞がんである腺
がんはよほど進行していない限り、胸腔鏡手術または開胸手術といった手術療法が
まず選択されます。

そして、進行度によって抗がん剤や分子標的治療薬、免疫チェックポイント治療薬
などを組み合わせて使用したり、全身状態に応じて放射線療法を選択します。


 このところ急速に発展を遂げているこれらの治療法により、現在の肺腺がんの治
療成績は以前に比べて向上し、完治する症例が増えたのはもちろん、完治しないま
でも治療を継続することで、長期間にわたりがんを抑え込みながら普通に生活を送
ることができる方々が増えてこられました。

患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を考えるならば、これほど素晴
らしいことはありません。


 肺腺がんは、今や早期発見と早期治療によって完治が可能ながんのひとつです。
 
 中村獅童さんのような例もある通り、ご壮齢やご高齢の方ばかりではなく、若い
皆様に定期的な健康診断や人間ドックをご活用頂くことで、一人でも多くの方の命
をがんから救うことができると筆者は信じております。

 喫煙されている方は、なによりもまず禁煙を。そして、定期的な検査を必ずお受
け頂き、素晴らしい将来を夢見てこれからの人生をぜひ楽しんでください。





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