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■ 第119回 健康診断を活かす ■
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その81〜

医師 小澁 陽司
     
 2014年の冬は、例年よりも早くインフルエンザウイルスの流行が始まりました。
 ここ何年かのインフルエンザ流行のパターンは、ほとんどが年明けの1月からじわじ
わと始まり、1月末から2月にかけて流行のピークを迎えていましたが、今シーズンは
早くも12月中から猛威を振るい始めていて、昨年度と比べますと約3週間ほど前倒し
の経過を辿っています。

 このため、2015年1月中旬現在、お正月休みのおかげで若干沈静化していたイン
フルエンザの流行が、休み明けの職場や学校で一気に再燃し、今後さらに拡大していく
可能性が懸念されており、引き続き充分な警戒が必要となるでしょう。当コラムで幾度
も触れてきたことですが、インフルエンザの予防には「手洗い、うがい、マスク着用」
が基本です。その他、咳エチケットを守ることや部屋の加湿を忘れないことなど、ご自
分で出来る予防策の実践を是非ともお願いしたいと思います。
  
 さて、インフルエンザの流行が終わる頃にやってくるのが、春の健康診断シーズン。
最近は以前ほど明快に区分されてはいませんが、昔から会社健診のシーズンといえば春
と秋の二つの時期であることは皆様もご承知ですね。

 そこで本コラムは、春の健康診断および人間ドックをお受けになる皆様に向けて、久
しぶりに「健康診断の基礎知識」の連載を再開することにいたしました。今回からしば
らくの間、季節的なトピックスや最新の医学に関する話題を時々挟み、「超音波検査
(エコー検査)」で分かる様々な所見についてご説明をしていく予定です。

 ただしこの超音波検査、特に腹部エコー検査に関して申し上げると、人間ドックをお
受けの場合にはほとんど必ず実施されますが、一般的な健康診断で行われることはあま
りありません。それは、エコー検査が一般健康診断の法定項目(法律上、実施が義務付
けられている検査項目のこと)の中に含まれていないからであり、従って大多数の方に
は関係のない検査項目であるともいえます。

 それにもかかわらず今回、あえてこの検査を取り上げてご説明をしようとする理由は、
一般健康診断の二次検査(精密検査)において、今やエコー検査はなくてはならない重
要な検査方法として君臨しているからなのです。その具体例をご説明しますと、例えば、
一般健診の採血で肝機能障害を指摘され、精密検査の対象になった方がいるとしましょう。
その方が次にお受けになる検査は、再度行う詳しい項目の採血などと一緒に、ほとんど
必ず腹部エコーが選択されます。なぜなら、肝機能障害の原因として、肝臓や胆嚢など
にがんや胆石、脂肪肝などの所見がないかどうかを最も簡便に、かつ安全に調べられる
のがエコー検査にほかならないからです。

 また最近では、乳がん健診の検査項目として、最初から乳腺エコーをご選択される方や、
子宮がん検診の際に経腟エコーをご希望される女性が増えてきたことからも分かるように、
昨今はエコー検査全般の重要性が皆様の間で広く認知されてきており、平成20年の当コ
ラムで一度は簡単にご説明したこの検査を再度取り上げるに相応しい、いわば時代の要請
ともいえる状況が醸成されているのではないかと筆者は考えます。

 次回から、7年前よりさらに詳しくエコー検査の解説をさせていただきますので、どうぞ
ご期待下さい。


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