kenkou_bunner.gif
■ 第96回 健康診断を活かす ■
〜2013年・春の花粉症について〜

医師 小澁 陽司
     
 冬場のインフルエンザウイルスの大流行が終わり、今年も春の花粉症
シーズンが始まりました。
毎年、花粉症に悩まされている方々には、本当につらい季節だと思います。
そもそも、私たちはなぜ花粉症になるのでしょうか。そして、その対策は?

すでに現在、花粉症を発症されている方は言うに及ばず、人生でまだ一度
も症状が出ていない方も、花粉症について正しい知識を持ち、今後起こり
うる事態に備えてゆく必要があると考え、今回は2013年の春の花粉症
について、最新情報とその対策をご説明いたしましょう。

花粉症を簡潔に表現すれば、季節ごとに飛散する植物の花粉が、鼻粘膜や
目の結膜などに付着するために引き起こされるアレルギー反応です。
その主体となるアレルギー性鼻炎の症状は、付着した花粉を体から追い出
そうとするために起きるくしゃみ、鼻水、そして鼻閉(鼻を詰まらせて防
御する目的)ですが、アレルギー性結膜炎もある場合は目のかゆみ、涙が
止まらない(涙で花粉を洗い流す目的)といった症状が併発します。
現在は春の花粉症が問題になっていますが、夏や秋にも植物の花粉は飛散
するため、最近は一年を通して花粉症の症状を訴える方が多くなってきま
した。
例えば、春の花粉症の代表的な原因としてスギ科やヒノキ科の植物があり、
初夏の花粉症の原因としてカモガヤなどのイネ科の植物、そして夏から秋
にかけてはブタクサなどのキク科の植物が原因となります。
我が国にはスギ林が多く存在するため、スギ花粉による患者さんの数が最
も多いと言われていますが、縦に長い日本列島ではお住まいの地域によっ
て、発症原因となる植物や発症時期が違うことも考慮しなくてはなりませ
ん。一例を挙げると、北海道にスギ林は少なく、その代わりシラカンバ
(白樺)の花粉症が多いのです。また、沖縄にもスギは少ないため、花粉
症になる方自体が少ないということが知られています。

さて、今春のスギやヒノキの花粉量の飛散予測ですが、2月中旬現在、東
北地方や関東地方にはなんと昨年の3倍から7倍の量が飛んでくると言わ
れています。昨年の花粉飛散量が少なかった分、昨年と今年を比較すると
どうしても高い数字になってしまいますが、例年と比較しても約2倍近く
の量が予想されているので、結果的に大量の花粉が飛来することは間違い
ないでしょう。
これは、昨年(2012年)の全国的な猛暑による日照量の増大が原因と
なり、春になって樹木が花粉を大量に作る条件が揃ってしまったためだと
考えられます。
当然、花粉の飛散量が多いと花粉症の症状は悪化するため、その対策を万
全にしないといけません。
予防対策としては、花粉が飛散する前(諸説ありますが、約2週間くらい
前が一般的です)から抗アレルギー薬の内服や点眼薬・点鼻薬の使用を開
始すると、症状が軽減すると考えられています。
花粉症のシーズン中にそれらの薬物療法を続けるのはもちろんですが、
同時にマスクの着用や専用メガネの使用も効果があり、中等度から重度の
症状が出る方は是非お試しいただきたいと思います。また、頻繁なうがい
や、花粉の付きにくい洋服(綿製の洋服など)を着るといった習慣も取り
入れると、より一層の効果が期待されます。
 
            
(C)2000 The Soka Chamber of Commerce & Industry. All rights reserved.
E-mail:
sokacci@sokacity.or.jp
バックナンバー