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■ 第60回 健康診断を活かす〜メタボリックシンドロームの診断基準が変わる!?〜
 医師 小澁 陽司 ■
 つい先日、メタボリックシンドロームに関して最新のニュースが筆者の耳に飛び込んできました。近い将来、現行のメタボリックシンドロームの診断基準が見直される可能性があるというのです。それは、「女性の腹囲」。

 要するに、我が国における今の女性の診断基準では、腹囲が90cm以上ある方をメタボリックシンドロームの対象と見なしていたのが、それでは緩すぎるのでもっと厳しくすべきである、という研究結果が厚生労働省の研究グループから発表されたのです。

 平成18年9月の当コラム(第19回)で初めてメタボについて執筆して以来、筆者は幾度かメタボの話題を取り上げてきましたが、今回のように日本における診断基準そのものが変わってしまう可能性が出てきたというのは初めてのことです。つまりこれは、40歳から74歳の方を対象とした特定健診、いわゆる「メタボ健診」そのものを見直すことになるのです。

 具体的に記すと、日本では先述したように腹囲が90cm以上ある女性の方をメタボの対象としていたのですが、今回の厚生労働省の研究グループの調査では、「80cm以上の方が適切」という結果になりました。これにより、腹囲の測定基準値が変わるのか、それともアメリカのように腹囲の測定をメタボ診断の必須項目から外してしまうのかどうかは現時点では分かりません(2008年、アメリカなどが採用しているメタボリックシンドロームの国際統一診断基準の必須項目から『腹囲の測定』が外れたため、日本は独自基準でのメタボ健診を行っていることになります)。

 しかし、診断基準を含めたメタボリックシンドロームに関する医学的な議論はこの何年もの間、様々な医学ジャンルの専門家によって活発化していました。たとえば九州大学の研究グループは、「久山町研究」という有名な生活習慣病研究の成果に基づき、すでに何年も前から「女性の腹囲は80cm以上が妥当」という見解を示していましたから、今回の厚生労働省の発表は決して寝耳に水、というわけではなかったのです。

 いずれにせよ、今後の日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準の見直しは必至だと思われますので、具体的なことが分かり次第、またこのコラムでご報告したいと思います。。

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