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■ 第58回 健康診断を活かす〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その49
 医師 小澁 陽司 ■
 あけましておめでとうございます。

 平成も22年になりました。この丸21年の間、日本はバブル経済を謳歌し、その反動としての崩壊も経験して、史上かつてないほどの大不況と現在も懸命に戦い続けています。しかし、経済状態がどんなに悪かろうが、最終的に資本となるのは、皆様一人一人の健康であることに異論の余地はありません。皆様の健康を守るべく、我々はまた今年一年、身を挺して頑張ってまいります。

 さて、この空前の大不況の中、今年度は企業主催の忘年会や新年会の数がかなり減ったという話を聞くようになりました。しかしそれとは逆に、個人的な集まりとしての忘新年会は比較的活発に行われているという話も耳にします。しがらみのない、肩の力を抜いた内輪の宴会は楽しいものですし、それが明日への活力となることは大いに結構なのですが、楽しみすぎて破目を外した結果、翌日の胃の調子が…などというのでは困ってしまいます。

 そこで今回からのお題は、「胃」。

 健診で実施される胃のバリウム検査や胃内視鏡検査の所見を中心として、私たちの生活に最も密着している臓器である胃についての理解を深め、その大切さを実感して頂くことにいたしましょう。

 今回はまず、胃の基本的な知識をご説明します(残念ながら、図説出来ないことをお許し下さい)。

 人間が食事をし、体内に摂り入れた食べ物を消化・吸収して栄養化する器官を総称して「消化器」と呼びますが、その中でも、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸といった一本の管になった消化器官は、特に「消化管」と表現されています。口の中で細かく砕かれた食べ物が食道を通過したあと、一旦貯められる袋状の消化管、それが胃です。

 胃の役割の中心的なものは、喩えて言うならば、丈夫な袋に食べ物を入れて袋の口を閉め、手で四方八方から揉みほぐし、内容物をさらに細かく攪拌することと同じになりますが、そこに強酸である胃酸を加えて食べた物の殺菌をするのと同時に、消化酵素を加えて蛋白質の分解を促進し、胃に続く十二指腸へと食べ物を少しずつ送り出す役目も果たします。

 つまり胃は、その後の消化管内での消化・吸収を効率よく行うための、食べ物の重要な最初の待機場になるというわけなのです。

 次回は、胃の構造についてお話ししましょう。

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