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■ 第57回 健康診断を活かす〜季節性インフルエンザワクチンについて〜
 医師 小澁 陽司 ■
 いよいよ、季節は冬になりました。

 今年の春から綿々と猛威をふるい続けている新型インフルエンザに加え、日本ではついに季節性インフルエンザ(通常のインフルエンザ)も流行しはじめる時期に突入してしまったのです。絶対数が足りないため、厚生労働省によって接種の優先順位が決められた新型インフルエンザワクチンと違い、ある程度は数が揃っている今シーズンの季節性インフルエンザワクチンの予防接種をお受けになられた方も、だいぶ増えてきたことと思います。

 しかし、地域によっては新型はおろか、季節性のワクチンすら十分量が確保できないところもあり、日本全国の大多数の医療機関がその対応に苦慮しています。

 事実、筆者が普段医療に従事しているクリニックでは今年、前年度(平成20年度)の季節性インフルエンザワクチンの使用実績の約80%程度の量しか確保することができず、ワクチンの接種をご希望される方に多大なご迷惑をお掛けしています。

 その理由はもちろん、厚生労働省の決定に基づき日本国内の季節性インフルエンザワクチンの生産ラインを縮小し、そのラインで国産新型インフルエンザワクチンを製造したために季節性ワクチンの総量が減少してしまったことによるのですが、もうひとつの理由として、この一連のインフルエンザ騒動のため、季節性ワクチンの接種をご希望される方の数が昨年よりもかなり多くなっていることが挙げられます。絶対数が足りない上に希望者が多い…。報道などでご存じのように、医療の現場が大混乱するのも当然のことなのです。

 しかしその一方で、インフルエンザワクチンはその製造過程において鶏卵を使用するため、ニワトリの卵や肉にアレルギーをお持ちの方への使用は慎重を期す必要があるという難点を持つことや、季節性のワクチンを接種されても新型インフルエンザの予防にはならないため、その接種を躊躇されたり最初から拒否される方もいらっしゃるのですが、現在の世界的な感染症の大流行の中で、少しでも我々の生命や生活を脅かすリスクを軽減させるためには、来年に予定されている安全な輸入新型インフルエンザワクチンの予防接種が始まる前までに、なんとかしてなるべく大勢の方々に季節性のワクチン接種を済ませておいて頂きたいというのが、市井の一医師としての素直な気持ちです。。

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