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■ 第54回 健康診断を活かす〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その46〜
 医師 小澁 陽司 ■
 「心臓ペースメーカー」。

 ほとんどの方が、この名称はお聞きになったことがあると思います。しかし、ペースメーカーが人体にとってどのような役割を果たしているかまでご存知の方は、あまり多くないのではないでしょうか。

 前回ご説明した徐脈性不整脈に関連する項目として、今回は心臓ペースメーカーの基礎について解説いたしましょう。

心臓ペースメーカーの植え込み手術は、徐脈性不整脈の治療法の1つです。先述したように、房室ブロックや洞不全症候群といった心拍数が減少する徐脈性不整脈の中には、そのまま放置しておくと、脳をはじめとする大切な臓器に血流が行かなくなり、生命の危機を招来してしまうものがあります。そのような状態になった時、人工的に心臓の筋肉に電気刺激を与え、心臓を収縮させることで心拍数を正常に保ち、全身への血液供給量を維持するために用いるのが、このペースメーカー(心臓の収縮のペースをメイクする=作る)という機械なのです。

 ペースメーカーの基本構造は、心筋を刺激する電気を作り出す本体と、それを心臓の内部(心室や心房の筋肉)に伝達するリードという線の2つで出来ています。徐脈のタイプによって使い分けますが、ペースメーカーにはいくつか種類があり、体内への植え込み手術の際、最も適切なものが選択されることになります。

 開発された当初のペースメーカーはきわめて大きいものでしたが、現在使用されているものは非常にコンパクトであり、服を着ていると装着しているのがほとんど判りません。また、動力として使用されている電池は約8年くらいの寿命がありますので、頻繁に入れ替えのための手術をしなくても済むようになりました。

 一時期、大きな話題となっていた携帯電話によるペースメーカーへの影響は、ペースメーカーと携帯電話の双方の技術の発展により、現在あまり心配しなくて済むようになりましたが、最近ではEASと呼ばれる電子商品監視機器(CDショップなどの出入口に設置)や、RFID機器(電子タグの読み取り機)などから発生する電波の影響が懸念されており、今後の技術革新に期待が寄せられています。

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