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■ 第49回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識その42〜 医師 小澁 陽司 ■
 D不整脈:心電図を語る上で忘れてはならない疾患、それが不整脈です。

 前々回のこのコラムでご説明したように、心臓(心筋)は「洞結節」という場所から規則正しく発生する電気によって刺激され、一定の拍動を繰り返していますが、この拍動(=脈)が何らかの原因で乱れてしまう状態を不整脈といいます。

 不整脈が起こると、その種類によって様々な症状が出現しますが、一般的には動悸、息切れ(呼吸苦)、めまいなどが起こり、甚だしいものになると失神や血圧低下によるショック状態を引き起こすこともあります。しかし、心電図上の異常しか認められず、症状がまったくない不整脈も臨床の場では数多く見られます。

 さて、それではこの不整脈を分類して、それぞれに説明してまいりましょう。

(T)頻脈性不整脈:
 これは、脈が速くなるタイプの不整脈の総称で、次のように分類されます。

(a)洞性頻脈:
 洞結節から電気が発生する回数が少し多いため頻脈になるもので、ほとんど心配ありません。

(b)期外収縮:
 心臓が時々、一定のリズムより少し早く収縮してしまうため、心拍がその時だけ定期的ではなくなってしまうもので、「上室性(=心房性)期外収縮」と「心室性期外収縮」の二種類があります。健診や人間ドックなどで指摘される方も多い不整脈であり、俗に「脈が飛ぶ」と表現されるのがこれです。どちらも単発のものなら問題ありませんが、多発するようなら精密検査や治療が必要となります。

(c)発作性頻拍:
 これは「上室頻拍」と「心室頻拍」に大別されます。
 上室頻拍は発作的に動悸が出現し、しばらくすると自然に消失するため「発作性上室頻拍」と呼ばれ、心疾患の既往歴のない若い方に多く認められます。健診や外来での問診の際、「急に心臓がドキドキし始めて、そのうち直ることが時々あるのですが…」と相談される若い方は、この可能性が高いと思われます。発作性上室頻拍は臨床上あまり問題がないため基本的に治療を必要としませんが、一方の心室頻拍は、出現すると心臓から駆出される血液量が著減してしまうため、極めて危険な不整脈であるといえます。さらに心室頻拍は、心筋梗塞などの重篤な心疾患に合併して出現することも多く、致死的な状況となる場合があるため、発症と同時に治療(重症度によっては救命救急処置も)が必要となります。。
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