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■ 第45回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識その38〜 医師 小澁 陽司 ■
 心臓は、本当に大切な臓器です。人間が生きているあいだ中、心臓がいっときも休むことなく動き続けてくれるからこそ、私たちはごく当たり前に仕事をしたり、安心して眠ったり運動したりすることができるのです。しかし、多忙な日常生活の中、そういった大事なことをつい忘れ、ご自分でも知らぬ間に心臓を酷使している方も多いのではないでしょうか。

 そこで今回からは、この大事な心臓をもっとも簡便に調べる検査、「心電図検査」についてのお話しを何回かにわたってしてまいりましょう。これをお読みいただいた皆様の中に、心臓をいたわる気持ちが生まれてくだされば幸甚です。

 まずはじめに、前々回のこのコラムで「エコー検査」のご説明をした際、「心臓エコー検査」について幾許かのスペースを割いたことを思い出していただきたいと思います。

 あの時、心臓エコー検査は、心臓(心筋)のポンプ機能が障害されるようなタイプの心疾患や、心臓弁膜症、心臓の形態異常などを診断する上できわめて有用な検査だとご説明しました。その理由は、心臓エコー検査とは心臓の形そのものを画像化してモニターで観察する検査であるからなのです。ところが心電図検査は、心臓が動くときに生じる微かな電流を体の表面に取り付けた電極で感知し、それをグラフ化して紙に記録するだけの単純かつ奥深い検査です。おのずから、検査する対象の心疾患のタイプが違ってくる(もちろん、重なるものもありますが)わけです。

 つまり心電図は、グラフ化した波形で表現されるもの、すなわち心臓を流れる電気のリズムが乱れてしまう「不整脈」や、電流が途中で阻害される状態を示す心疾患(脚ブロックなど)に対して、抜群の診断能力を発揮する検査法ということになります。

また一般的には、心エコーよりも手技が簡便であり短時間で終わるため、健診や人間ドックの際には心電図検査が第一に行われることになっています。そして、その一次検査の結果に応じて行う精密検査として、心エコーやホルター心電図(24時間心電図)といった検査を行うことになるのです。

 これらの精密検査が必要になる所見から、放置しておいても大丈夫な心電図所見までを、次回以降詳しくご説明いたしましょう。

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