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■ 第40回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識その33〜 医師 小澁 陽司 ■
 唐突ですが、筆者は(大)酒飲みです。仕事のあと、気の合った仲間たちと飲みに行き、濃い目の味付けのおつまみを肴に楽しくお酒を飲むのはこたえられません。そして、仕上げにラーメンなどをぺろりと平らげて帰宅してから、自分の体の中へかなり多めに摂取してしまっている「もの」があるという事実に、ふと気付きます。そう、それは「塩分」です。

 筆者を含めた中年男性は知らず知らずのうちに、日常の食事で塩分を摂り過ぎる傾向があります。人間が一日に必要とする量以上の塩分を摂ることは、同時に大きなリスクを背負うことにもなるのですが、そのリスクの最たるもののひとつが高血圧なのです。皆様おなじみの高血圧。しかし実際は、その恐怖がきちんと理解されているとは言い難いのが現状です。今回と次回は、なんとなく解っているようでいて、あまり深くは知られていない「血圧」について、高血圧を中心としたお話しで説明して参りましょう。

 昨年5月のこのコラムでご説明しましたが、血圧と塩分(ナトリウム)は密接に結びついており、個人差はあるものの、塩分を摂り過ぎている方が高血圧になる可能性の高いことは以前から各種の研究で指摘されています。では、血圧が高くなることがなぜいけないのか?これは簡単な理屈で、心臓から全身に送り出される血液の圧力(=血圧)が強く高いと、常に血管はハイテンションを保たねばならず、その結果、血管が硬くなったり傷付いたりして、いわゆる「動脈硬化」を引き起こすからなのです。

 動脈硬化こそが、メタボリックシンドロームの元凶です。動脈硬化が進めば、心臓疾患や脳血管疾患の発症リスクがどんどん高くなり、ついには悲劇的な結末を迎えることになります。高血圧はそれ自体強烈な身体症状が出ないため、静かに人間の体を蝕んでいく「暗殺者」のような存在であるということを、我々は常に忘れてはいけません。

 筆者も、説得力のある原稿を書くためには、生活習慣を改めねばならない部分もあるのですが…。猛省しつつ、次号に続きます。

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