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■ 第38回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その32〜 小澁 陽司 ■
 さて、本コラムは今回から、やや専門性の高い採血項目についての解説や、今まで触れなかった検査方法などにも範囲を広げてご説明していきたいと思います。

 前回まで連綿と書き綴ってきたこのコラムですが、取り上げた話題のほとんどは、採血の項目についての解説でした。しかし、今回からは人間ドックに含まれる検査の解説なども加え、色々なことに挑戦してみたいと意欲的に考えております。どうぞ、この拙文をこれからもよろしくお願い申し上げます。

 そんなわけで、本日のテーマは「腫瘍マーカー」。腫瘍マーカーとは、簡単に言うと「人体にがんが発生した時、そのがんが作り出す特殊な物質」のことで、血液や尿などの体液中に出現してきたそれらの物質を測定すると、その人の体内にがんが発生した可能性を推測できるというものです。

 腫瘍マーカーは現在、数十種類も存在しており、がん診断の一助となっていますが、次に代表的な腫瘍マーカーと、それを産生する主ながんをいくつか挙げてみましょう。(なお、これらはすべて採血で調べます)

@CEA(癌胎児性抗原):肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなど多種のがんで高値となりますが、喫煙者の血中でも上昇することがあり、注意が必要です。
ACA19-9:膵臓がん、胆道がん
BAFP(α―フェトプロテイン):肝細胞がん
CCA125:卵巣がん
DPSA(前立腺特異抗原):前立腺がん

 こう書いていくと、腫瘍マーカーさえあれば他の検査をしなくてもがんは発見出来る、と思われるかもしれませんが、そうではありません。
 がんが進行していないと腫瘍マーカーは高値にならないことも多く、また「マーカー上昇=がん」ではなかったり、逆に「マーカー正常=がんではない」と言いきれなかったりする場合も多々あるのです。要するに、腫瘍マーカーはあくまで『診断の一助』であり、他の様々な検査(CTや超音波など)と組み合わせて初めて威力を発揮する頼もしい助っ人、という存在なのです。


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