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■ 第37回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その31〜 小澁 陽司 ■
 「HbA1c《ヘモグロビン》」の続きです。 HbA1cの正常値は4.3〜5.8%ですが、糖尿病の患者さんが糖尿病合併症を起こさないためには、この値を6.5%以下に保つことが必要だと言われています。これが高値のままで経過すると、恐ろしい糖尿病合併症の出現するリスクがどんどん増大してしまうため、医師はその細かい数値の増減にこだわり続け、ついには食事制限などを巡っての熱いバトルが患者さんとの間に繰り広げられることになるのです。

 例えば、病院での血液検査を数日後に控えた糖尿病患者さんが、この一ヶ月間を振り返り、わりと好き放題に飲み食いしてしまったあと反省する一方、何とかして検査当日の血糖値を良好な値にしようと、それから数日間は質素な食事を貫き、病院に出掛けたとしましょう。

 検査当日、採血して調べた空腹時血糖値は案外良好な値だったため、内心ほっとしながら診察担当の医師に、「この一ヶ月間、かなり食事に注意していたんですよ!」と胸を張って答えたのも束の間、血糖値と一緒に調べたHbA1cが前回の診察時よりも悪化していたため、その努力が「付け焼刃」であることが判明してしまい、かえって医師にお小言を頂戴する破目に‥‥、などということが実際に起こるわけです。

 これは当然の結果で、前回のご説明したほうにHbA1cは今から1〜2ヶ月前の血糖値の状態を反映するわけですから、日頃より地道な努力をしていなければ、たちどころに真の姿が露呈してしまうのです。

 余談になりますが、筆者の妹はやはり内科医で、糖尿病を専門としています。

 診察室で日々糖尿病と格闘する我が妹も時々、「今日は患者さんにちょっと強く言い過ぎちゃったな‥‥」などと反省していますが、それもこれも患者さんのお身体を真剣に思ってのこと。

 糖尿病の方は食事や薬、そして担当医師とうまく付き合って、合併症にならずに「元気な状態での長生き」を目指して参りましょう!





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