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■ 第33回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その27〜 小澁 陽司 ■
 前回の続きです。

 血中のブドウ糖であるグルコースが食事によって高い値になった時、それを正常化させるため血中に分泌されるホルモンが「インスリン」です。膵臓から分泌されるインスリンは、あらゆるホルモンの中で唯一、血糖値を下げる機能を持っています。つまり、インスリンの分泌量が足りなくなると血中のグルコースは下がることが出来なくなり、高血糖の状態が続くことになります。これが「糖尿病」なのです。

 もっとも、インスリン分泌量の低下ばかりが糖尿病の原因になるわけではありません。インスリンの量は充分に出ていても、肥満していたりすることにより体がインスリンに反応してくれず、血糖値が高いままになってしまう場合もあり、これを「インスリン抵抗性」が強い状態、と言います。現在、このインスリン抵抗性こそが、様々な生活習慣病の基礎になっていると考えられているのです。そして、両親をはじめ自分の祖先に糖尿病患者のいる方が、長年にわたり食べすぎ・飲みすぎや運動不足の生活を続けることで、膵臓でのインスリン分泌能力が低下したり、インスリン抵抗性が増強してしまうために発症する糖尿病を「2型糖尿病」と呼びます。なんと、このタイプの糖尿病が全糖尿病患者の約90%を占めているのです。

 2型糖尿病が発症すれば、当然、乱れた生活習慣の完全が必要なわけですが、ここで「境界型糖尿病」の存在が重要になってきます。境界型糖尿病とは、いわば2型糖尿病の予備軍であり、本当の糖尿病になる前段階の状態をいいます。この状態に該当する方は、今後、本当の糖尿病に移行してしまう可能性と、ご自分の努力によっては正常な状態に回復する可能性の分水嶺に立っていることになるのです。

 もし境界型糖尿病であることが判明した方は、そのうしろに聳える糖尿病の険しい山路に分け入る前に、早々と生活習慣の改善を始めることが賢明でありましょう。





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