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■ 第17回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その12〜小澁 陽司 ■
 皆様は、「膵臓」がどういう役割を担っている臓器か、ご存知でしょうか?例えば、心臓が全身に血液を送り出すためのポンプであることはご存知の方も多いと思いますが、膵臓については、何をする臓器?という方のほうが多いでしょう。

 今回は、その膵臓についてのご説明とともに、そこから分泌される「アミラーゼ」という消化酵素が、なぜ採血の項目として重要視されるかについて、ご説明いたしましょう。

 まず、大きく分けて膵臓は、二つの機能を持っています。一つは、インスリンやグルカゴンといった血糖値を調節するホルモンを血液中に分泌する、「内分泌機能」。そしてもう一つは、アミラーゼやリパーゼといった消化酵素を含んだ膵液を、膵管という管を使って十二指腸に放出する、「外分泌機能」です。

 口から入った食物は、胃を通って十二指腸へ送られますが、その際、膵液という消化液が出て食物を細かく分解します。アミラーゼは、この液の中に含まれる消化酵素の代表的存在で、主に糖質を分解する作用を持っています。

 それではなぜ、単なる消化酵素であるアミラーゼが、採血の項目として重要なのかと言うと、実はアミラーゼは「膵炎」という病気の診断をする際に必要不可欠のものだからなのです。

 膵液の通り道である膵管は、以前このコラムでご説明した「胆道」とつながっており、最終的には一本の管になって十二指腸に流れ込む構造になっています。その一本になった管のどこかが、胆嚢から落ちてきた胆石などで詰まってしまうと、膵臓から出た膵液は行き場を失い、膵臓に逆流してしまいます。すると、膵液は消化酵素を含んでいるため、なんと膵臓自体が消化され始めてしまうのです!

 自己消化の憂き目に遭った膵臓は、激烈な痛みを伴った炎症をひき起こします。これが「急性膵炎」で、いわば、お腹の中が火傷をするようなもの、と表現してもいいでしょう。この時、血液中に急増するのがアミラーゼであり、その高値が正しい診断につながる、というわけなのです。

 また、「慢性膵炎」でもアミラーゼは上昇しますが、こちらは大酒家の方に発症するケースが多いので、お好きな方は、量に気を付けてお楽しみ下さい。





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