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■ 第15回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その10〜 小澁 陽司 ■
 今年の東京都内の桜は、天候が良かったためか、例年よりもやや長く楽しめたという感想を随所で耳にしました。

 (四月中旬現在)桜前線はまだ日本列島を北上中であり、これからお花見を迎える地方もあると思います。場所は違えど、お花見ときたら、お酒がつきもの。春は歓送迎会も多く、お花見も含めて、このところお酒を飲みすぎた、という方も多いのではありませんか?そんな心配のある方にとって、採血の項目で一番気になるのが「γ‐GTP」の値でしょう。血液検査を受け、このγ‐GTPが高値であることを医師に見付かると、異口同音に「お酒はどのくらい飲みますか?」とまず尋問され、やがてそれがお説教に変わり、居心地の悪い思いをされる方も多いと思います。そこで今回は、肝機能検査の項目で最も有名なこのγ‐GTPについて簡単にご説明致しましょう。

 γ‐GTPは、「γ‐グルタミルトランスペプチダーゼ」の略で、最近では最後のPを取り、「γ‐GT」と表記するようになってきました(今後はこの表記が主流になります)。γ‐GTPは、以前このコラムで解説したALPなどと同じく、「胆道系酵素」の一種です。詳しいことはALPの回をご参照頂きたいと思いますが、胆管や肝臓の細胞が破壊されると、このγ‐GTPも血液中に流れ出ることから、ALPと同じように肝障害の指標として用いられています。ただし、ALPと違う点として、γ‐GTPはアルコールに対して鋭敏に反応するため、「アルコール性肝障害」の時に高値を示すという特徴があります。このため、同じ肝障害の中でもアルコール性脂肪肝などの診断に有用となるのです(もちろん、そればかりではなく、胆石などで胆管が閉塞した時や、薬剤性肝障害などでも上昇します)。

 過度の飲酒が続き、γ‐GTP高値が持続すると、やがては肝硬変、肝癌といった病気になる場合もありますが、肝臓の細胞は再生能力が高く、禁酒や節酒で割と良好に元の状態に戻ります。γ‐GTPも驚くほど改善します。心当たりのある方は、是非お酒の量を控える努力をなさって下さい。

 使い古された言葉ですが、この言葉が一番真実を表しているでしょう。「お酒はほどほどに」。





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