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■ 第12回 健康診断を活かす
 ~インフルエンザの基礎知識①~ 小澁 陽司 ■
 いよいよインフルエンザが本格的に流行する時期になりました。昨年から鳥インフルエンザが話題になっていることもあり、今シーズンは例年になく皆様のインフルエンザに対する関心が深いように思われます。  そこで今回はトピックスとして、インフルエンザについて分かりやすく解説してみましょう。

① インフルエンザとは?
 インフルエンザは、いわゆる「かぜ」とは違うもので、インフルエンザウイルスが人体に感染したのち、数日間の潜伏期間を経て、突然発症するウイルス性疾患です。主症状としては、38度以上の高熱が突発的に出現するほか、全身の関節痛や筋肉痛、悪寒、頭痛、咳、咽頭痛、鼻水などが認められます。人から人への感染力が強いウイルスであり、毎年12月から翌年3月にかけて短期間で爆発的に流行します。また、肺炎や脳炎などの合併症が起こり、重症化する場合があるので、免疫力の弱い小児や高齢者の方は特に注意が必要です。

② 普通の「かぜ」との違いは?
 いわゆる「かぜ」は、原因となる病原体がライノウイルス、コロナウイルス、細菌などであり、これらの感染によって発症しますが、症状としてあまり高熱は出ません。咳や、咽頭痛、鼻水などがインフルエンザと共通しているものの、症状の出現のしかたが突発的ではなく、徐々に出てくることが多いのです、また、一般的にあまり重症化はしません。

③ インフルエンザウイルスの特徴は?
 インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の三つに大別され、このうち特に大流行するのはA型です。A型インフルエンザウイルスの表面には、そのウイルスの性質を決めている二種類の突起があり、この突起の構造を自分自身で少しずつ変化させることによってウイルスは毎年生き延び、翌年もまた流行を繰り返すのです。しかし、A型は数十年単位で突然大変異を起こし、完全なモデルチェンジをすることがあります。これが「新型インフルエンザ」と呼ばれるものです。スペインかぜや香港かぜなどの、かつて大流行したインフルエンザがその代表です。実は、過去に大流行した新型インフルエンザが最後に発生してから、現在まですでに20~30年が経過しており、近年再び「新型」が登場する可能性が高いため、世界中で心配されているのです。

④ 予防法と治療法は?
 予防法の筆頭は、やはりワクチン接種です。ワクチンを接種した人全員が、絶対にインフルエンザにならないというわけではありませんが、もし発症したとしても症状の緩和や重症化の阻止ができます。また、普段から心掛ける予防法として、手洗い、うがい、マスクの着用、部屋の加湿などが勧められます。

 特に、インフルエンザウイルスは、発症した人のくしゃみや咳などから感染するため、マスクの着用は必須と言えるでしょう。

 治療の要は、「早めの受診」です。抗インフルエンザ薬は、早めに内服しないと効果が望めません。疑わしい時は、すぐに医療機関を受診して下さい。

 そして、安静・休養・栄養を充分に取ることです。くれぐれも、無理は禁物です!





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