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■ 第11回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その8〜 小澁 陽司 ■
 新年おめでとうございます。

私達医療関係者一同、皆様の健康をお守りするため本年も邁進する所存ですので、何卒よろしくお願い致します。

それでは早速、今回のテーマに移りましょう。

「LDH(乳酸脱水素酵素)」は、肝疾患の際に血中で上昇することが有名になっているため、検診では肝機能検査の項目に含まれています。しかし、前回ご説明したALPと同様に、LDHも人間の体の色々な場所に存在するため、肝疾患のみならず様々な疾患で高値となり、それが診断に用いられることから、皆様にご説明するのがなかなか難しい項目のひとつと言えそうです。

 まず基本的なことですが、LDHは肝臓、心筋、骨格筋、赤血球、そして人体に発生した悪性腫瘍の中などに多く含まれている酵素です。それらの各部位が傷害されるとLDHは血中に流れ出し、高値となります。高値となった際の疾患の鑑別法は前回のALPと同じで、由来する臓器別に分けられたLDHの型のうち、どれが上昇しているかを見て推測していきます。

LDHの型(アイソザイム)は五つに分けられますが、複数の型の組み合わせで診断をしていくことがほとんどです。

LDH1と2が上昇している場合は、心筋、骨格筋、赤血球、腎臓などが傷害されており、疾患としては心筋梗塞、筋ジストロフィー、悪性貧血、溶血、腎梗塞などを疑います。特に急性心筋梗塞の場合は、発症してから時間経過を追っていくのに大変有用です。

LDH2と3が上昇している時は、白血病や悪性腫瘍(各臓器の癌や肉腫など)、肺疾患などが考えられます。また、LDH3と4と5が揃って上昇している場合は、癌がどこかに転移していることが考えられるため、LDH高値と一口に言っても、型の分析が重要であることをお分かり頂けると思います。

LDH5は肝臓や骨格筋、そして悪性腫瘍に多く含まれ、急性肝炎や先述の筋ジストロフィー、肝細胞癌はじめ各種の癌で上昇します。

LDHを単独で検査するだけでも、このように多彩な情報はえられますが、やはり他の様々な採血の項目と組み合わせて総合的に判断し、より正確な診断を付ける必要があります。





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