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■ 第7回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その4〜 小澁 陽司 ■
 「総蛋白」と「アルブミン」は、検診の結果用紙に仲良く併記されていることの多い項目です。蛋白質ははよく知られていますが、アルブミンとはどういったものなのでしょうか?検診ばかりでなく、外来での血液検査でも一緒に調べられることの多いこの両者の関係について、これから解説してみましょう。

 人間が生きていく上で必要なものに、三大栄養素があります。その三つとは、「炭水化物(糖質)」「脂質」そして「蛋白質」なのですが、炭水化物と脂質が主にエネルギー源として利用されるのに対して、蛋白質は体の各部分を作る働きがあります。その蛋白質を構築しているのがアミノ酸です。つまり、アミノ酸が結合して蛋白質となり、蛋白質が集まって筋肉や臓器、毛や爪などを作り上げているのです。

 食べ物として人体に入った蛋白質は小腸で分解されてアミノ酸となります。その後、血液に入り肝臓へ運ばれ、今後は体を作るのに必要な形の蛋白質に再合成されるのですが、この蛋白質が血液検査の際に「(血清)総蛋白」として測定されます。総蛋白は何種類もの蛋白によって構成されていますが、そのうちの約七〇%を占める最大派閥の蛋白質が、実は冒頭に書いたアルブミンなのです。ちなみに、総蛋白中、アルブミンに次ぐ地位を占める蛋白がグロブリンで、その中のγ‐グロブリンは免疫機能に強く関与しています。

 総蛋白の多くを占めるアルブミンの量の低下は、そのまま総蛋白量の低下を意味し、これを「低蛋白血症」と呼びますが、その原因としては、@ネフローゼ症候群によって尿中に蛋白(アルブミン)が失われたり、出血などによって血液中から蛋白が直接失われたりする場合や、A肝硬変や肝癌などで肝機能が障害され、蛋白の合成能力が低下してしまう場合、そしてB栄養不良や腸からの蛋白吸収障害などによる、蛋白摂取量の絶対的不足といったことが挙げられます。

 蛋白質は血管の中に水分を引き寄せておく性質があり、低蛋白症を起こすと血液中の水分が血管壁から漏れ出て皮膚の下に溜まってしまうため、手や足がむくんでしまいます。ネフローゼ症候群などの腎疾患の方がむくみを訴えるのは、そのためです。

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