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■ 第6回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その3〜 小澁 陽司 ■
 手などにケガをしてその傷口から出血しても、やがて血は止まり傷口は修復されます。無論、大きいケガの時は傷口を縫合しなければなりませんが、小さな傷口ならば自然に止血されてしまいます。これは主として、血液中の「血小板」が働いてくれるからなのです。今回は、その血小板のお話です。

 普通は血液中を黙々と流れている血小板ですが、外傷などで血管が損傷し出血が起こるとその部位に続々と集まり始め、傷の内側に次々と貼りつきながら血小板どうしの結束を固めていきます。こうして作られていく血の塊(これを血栓といいます)が、まずは傷口をふさいでくれますが、これだけではやや頼りなく、また、いつ決壊して再び出血し始めるか分かりません。そこで血小板は自ら、同じ血液中を流れるフィブリノーゲンという物質にSOSを出すのです。すると、フィブリノーゲンはフィブリンに変化して、先に作られた血栓の上に覆い被さり、いわばセメントで固めるようにしてしっかりと傷口を補強します。こうして、止血が完成します。

 さて、検診に話を移しますと、血小板数の異常値を指摘される受診者の方に多いのが、「血小板数減少」です。白血病、特発性血小板減少性紫斑病、肝硬変などの基礎疾患があり元々血小板数が少ない方は治療を必要としますが、一般的には軽度の低下なら大きな問題はありません。ただし、男女ともに血小板数が一〇万個/?以下に減少してくると出血が止まりにくくなったり、あざ(皮下出血)が出来やすくなったり、更に減少してくると脳出血などの臓器出血を起こす危険性が高くなるため、ご自分の毎年の数値を把握し、何か基礎疾患が発生していないかどうかチェックしておくことが大切でしょう。

 また一方で、「血小板数増加」という方もいらっしゃいますが、こちらもよほど高値でなければ大きな問題はありません。しかし、血小板数の増加は血管内での血栓の形成を促すため、脳梗塞などを引き起こすリスクが高くなりますから、やはり注意が必要です。    
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