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■ 第5回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」その2〜 小澁 陽司 ■
 カゼをひいていて体調が悪いのにもかかわらず、無理をして健康診断を受けたら、「白血球数増加」のため再検査になってしまった…。そんなご経験をお持ちの方がいらっしゃると思います。その通り、白血球数はカゼなどの感染症の時に増加することで有名ですが、その仕組みを皆様はご存知でしょうか。今回は白血球についての基礎知識と共に、その仕組みを解説してみましょう。

 まず初めに、血液中の白血球は大きく分けると顆粒球・単球・リンパ球の三つに分類されます。ひとつめの「顆粒球」ですが、その大部分は「好中球」と呼ばれるもので、これは主として人体内に侵入した細菌を退治する兵隊の役割を担っています。体内にカゼなどの原因となる細菌が侵入すると、兵隊である好中球が大々的に増員され、細菌と戦争を始めます。その戦火が「炎症」であり、戦闘の規模が拡大すると「発熱」となるわけです。そして、元々好中球は全白血球数のおよそ60%前後を占めているため、細菌感染を起こして兵隊が増員されると白血球数全体が増員することになるのです。

 次の「単球」も顆粒球(好中球)同様、細菌の退治に関与していますが、その数は白血球全体の10%程度しかなく、たとえ増加しても白血球数には大きな影響がありません。

 そして最後の「リンパ球」は、白血球全体の40%前後を占め、人体の免疫機能(抗体を産生する等)の主役となっています。リンパ球は、細菌を退治する顆粒球とは異なり、ウイルスや真菌(カビ)などから人体を防御する役割を果たします。勿論、この対ウイルス戦争の場合も兵隊となるリンパ球は増員されますが、その分顆粒球が減員されるため、全体的に見ると全白血球数は余り変化しません。インフルエンザなどのウイルス感染症の時、高熱は出るのに白血球数が増加しないのはそのためです。

 今回は、感染症の時の白血球数の変化を中心に説明してきましたが、その他にも白血球数が増加する疾患・減少する疾患は沢山存在します。それはまた稿を改め、何れかの機会にお話しましょう。

   
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