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■ 第4回 健康診断を活かす
〜知っておきたい「健康診断の基礎知識」〜 小澁 陽司 ■
 「健康診断を受けたのはいいが、結果用紙を見ても意味のよく分からない単語と数字の羅列ばかりで、結局毎年疑問点が解消されずに終わってしまう」という受診者の方々の声を頻繁に耳にします。大切なご自分の体についての情報を知るための絶好の機会である健康診断なのに、かえって漠然とした不安を抱えるということになっては大変です。

 今回から私が新しくこのコラムを担当させて頂くにあたり、受診者の皆様に是非知っておいて頂きたい「健康診断の基礎知識」を、何回かにわたって分かりやすく説明していきたいと思っています。このコラムを契機に、健康診断を受ける意義を実感として持っていただけるようになれば幸甚です。

 そこで第一回目は、「採血の検査値」の基礎知識として、「赤血球・血色素量・ヘマトクリット値」についてお話しいたします。

 赤血球は、呼吸によって肺に取り込まれた酸素を全身の器官に運搬する役目を担っています。いわば、赤血球はタクシーで、酸素が乗客なのですが、このタクシーは酸素運搬用の専用シートを搭載させていないと酸素を乗せることが出来ません。その専用シートに相当するのが血色素(ヘモグロビン)です。そして、何らかの原因によって血色素を搭載している赤血球の量が減り、酸素を全身に運搬することができなくなってしまうことを医学的に「貧血」と呼びます。また、逆に赤血球量が多すぎることを「多血症」と言いますが、臨床の現場で診察する頻度は貧血の方が圧倒的に多いです。

 貧血が起きる原因は、出血による赤血球数の不足、赤血球の産生量の低下、赤血球の破裂(これを溶血と言います)など様々ですが、これらの原因を分類するのに必要なのがヘマトクリット値です。例えて言うなら、ヘマトクリット値は電車の一車両にどの位人間が乗っているかを表したもので、ヘマトクリット値が低い場合は空いている電車、即ち赤血球数が少ない血液を示し、ヘマトクリット値が高い場合は満員電車、即ち赤血球数が多いドロドロの血液を意味しているのです。これらを組み合わせた結果、貧血が診断されますが、この他に脱水などの診断にもヘマトクリット値は有用です。

 次回は「白血球」について説明したいと思います。

   
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